すべてのアプリには、生まれた理由があります。Ajiatoも例外ではありません。この記事では、Ajiatoがなぜ生まれ、どんな問題を解決しようとしているのか——開発の背景にある想いを正直に綴ります。
原点:「あの店、どこだったっけ?」
Ajiatoの開発は、一つの個人的な悩みから始まりました。「あの店、美味しかったはずなのに名前が出てこない」——この経験を、私は何度も繰り返していました。
食べログで星をつけたお店が数十件ある。Googleマップの履歴にも残っている。Instagramにも料理の写真を投稿した。それなのに、「今週末、どこに行こうか?」となった時、思い出せるお店はほんの数件しかない。せっかく記録したはずなのに、いざ必要な時に思い出せない。この「記録しているのに思い出せない」という矛盾が、Ajiato開発の出発点でした。
既存のツールでは解決できなかった理由
なぜ食べログやGoogleマップでは解決できなかったのか。分析してみると、以下の理由が見えてきました:
- 「他人のための評価」になっていた:食べログの星は「他人に情報を提供する」ための評価であり、「自分がまた行きたいか」を表していない
- 「思い出す」機能がなかった:食べログもGoogleマップも「検索」ツールであり、「忘れたお店を思い出させる」ツールではない
- プライベートな感情を書けなかった:「店員さんが優しかった」「一人で入ってホッとした」などの個人的な感情は、SNSやレビューサイトには書きにくい
- 写真と記録がバラバラ:Instagramに写真、食べログに評価、Googleマップに位置情報——情報が分散してしまい、統合的な記録にならない
これらの問題を解決するには、「自分だけのための」「思い出す仕組みを持った」「プライベートな記録を書ける」「写真と位置情報と評価が統合された」アプリが必要でした。それがAjiatoの設計要件です。
「美味しい記憶の足跡」というコンセプト
Ajiatoのコンセプトは「美味しい記憶の足跡」です。このコンセプトには2つの意味が込められています:
1. 足跡を残す
砂浜を歩いた後に足跡が残るように、美味しいものを食べた後に「記録」を残す。ただし、波が来れば砂浜の足跡は消えます。人間の記憶も同じで、時間が経てば薄れていきます。Ajiatoは、消えない足跡を残すツールです。
2. 足跡を辿る
足跡は「来た道」を示します。Ajiatoに残された記録は、あなたの「美味しい体験の軌跡」です。過去の足跡を辿ることで、「あの時、確かに美味しかった」という確信が得られます。そして、その足跡がある場所に再び向かう——それが「再訪」です。
設計における3つのこだわり
1. ログイン不要
Ajiatoはアカウント登録が不要です。これは「手軽さ」のためだけでなく、「データをサーバーに送らない」というプライバシー設計のためです。あなたの食事記録は、あなたの端末にだけ存在します。この設計は開発のコストを増やしますが、「自分だけの食ログ」というコンセプトには不可欠な選択でした。
2. SNS機能なし
Ajiatoには「いいね」「フォロー」「コメント」「シェア」がありません。これは機能の不足ではなく、意図的な選択です。SNS機能があると「承認を求める記録」になり、プライベートな感情を書きにくくなります。Ajiatoは「自分だけの記録」に徹することで、誰の目も気にせずに記録できる自由を提供しています。
3. 「再訪候補」のランダム表示
Ajiatoのホーム画面に「再訪候補」がランダムに表示される仕組みは、このアプリの核心機能です。「忘れたお店を思い出す」には、自分から検索するのではなく、システム側から「提示」される必要があります。しかもランダムに表示することで、「あ、このお店もあった!」という新鮮な驚きを生みます。この仕組みこそが、「記録しているのに思い出せない」という問題を解決する鍵です。
開発で最も苦労したこと
技術的な課題もありましたが、最も苦労したのは「機能を削る」ことでした。「SNS機能を追加したい」「おすすめ機能を作りたい」「ランキング機能も欲しい」——アイデアは次々と浮かびます。しかし、Ajiatoのコンセプトは「シンプルに、自分だけの食ログを残す」こと。機能を追加するよりも、「追加しない」ことの方が難しいのです。
Steve Jobsの言葉に「1000のアイデアにNoと言う」というものがあります。Ajiatoの開発でも、この原則を意識しました。「いい機能」であっても、コンセプトに合わなければ追加しない。この「削る」作業が、Ajiatoをシンプルで使いやすいアプリにしています。
今後の展望
Ajiatoは完成したアプリではありません。ユーザーのフィードバックを受けながら、少しずつ改善を続けています。現在検討している機能:
- より精度の高い「再訪候補」のレコメンドアルゴリズム
- 写真を使った視覚的な記憶の呼び起こし機能の強化
- 季節や天気に応じたお店の提案
- iOS版の提供
ただし、これらの機能追加は「シンプルさ」を損なわない範囲で行います。機能の数ではなく、一つ一つの機能の質を大切にする。これがAjiatoの開発方針です。
まとめ:個人の悩みから生まれた、個人のためのアプリ
Ajiatoは「誰もが使える万能アプリ」を目指していません。「あのお店、どこだったっけ?」という悩みを持つ人が、「自分だけの食ログ」でその悩みを解決できる。この特定の目的に特化したアプリです。
もし「あのお店、どこだったっけ?」と悩んだ経験があるなら、Ajiatoはあなたのためのアプリかもしれません。ぜひホームページから試してみてください。そして、美味しい記憶の足跡を残してください。